マリーナ。と言うだけあって、近くには駿河湾の美しい眺めが広がっている。日頃、海を見る生活をしていない自分にとってはちょっと圧倒されるほどの景観である。
早くカート場に辿りつきたかったのだが、ドライブしてたら突如、江戸の下町情緒を感じさせる街並みを再現したスポットに出くわした。
運転に疲れてたし、その趣きある風情についつい吸い込まれるように寄り道をしてしまう。
ほほぅ。なかなか良い雰囲気じゃないか。
京都の太秦映画村を彷彿とさせるスポットが静岡のこんな海辺にあるなんて知らなかったなぁ。
長椅子に座って可愛い町娘と団子でも食べたいもんだねぇ。
都会のコンクリートジャングルより、やっぱり日本人はこういった平家の瓦屋根がホッとする。
はぁーー。もうちょいここで休憩するか…
…ふぅ。いかんいかん。あまり長居はしてられん。そろそろカート場を目指すかな。
と、おもむろに看板を見上げる…
ぶっ!!
スンプマリーナカーティングっ!!!
これがカート場なんすか!!
は??当然カート場ですけど?
何かおかしな所でもあります??
逆にそう問われてしまうほど、当たり前のように佇んでいるその姿がシュールで素敵。
いまだかつてこんなにも江戸風情を感じさせる瓦屋根のカート受付があっただろうか。
入口から岡っ引きが出てきても何も驚かない。ヘルメットを被ってる人間が居る方がおかしい。
ゴシック体の素っ気ない看板も堪らなく味わい深い。
そして受付の向かい側の建物。
いまだかつてこんなにも江戸風情を感じさせる受付の向かい側の建物があっただろうか。
そして不気味なまでにひっそりしている。
さらにトイレ。
いまだかつてこんなにも綺麗なカート場のトイレがあっただろうか。
便器に頬ずりし、床に寝そべってもいいレベルの美しさである!
驚くべきことに、このカート場はこの2つの長屋で構成されている。この違和感は只者ではない。
聞くところによると、ここは「駿府夢ひろば」というレジャー施設の一角らしい。今はワケアリで営業を停止している大江戸温泉物語天下太平の湯および宿泊施設が母体なのだそう。どーりで江戸風情ムンムンなわけだ。
確かに奥を見渡せば大きな温泉施設が確認できる。そしてこの広大なレジャー施設でひっそり営業してるのはカート場のみ。
環境だけはすこぶる贅沢。しかし、カート場からしてみれば温泉からの流れ客の利用が見込めず相当な痛手だろう。
温泉のせいでこちとら商売上がったりでい!
てやんでい!である。(勝手な推測)
お代を確認すると走行料金は7分2300円。会員なら1800円。
今日はあいにく小判を持ち合わせていないので、通貨が両ではなく円でホッとした。
回数券は会員のみの販売となっている。お値段は標準的。なお会員入会は1年間有効で5500円だ。
マシンはお馴染みのビレルN35にヤマハ200cc。
特に和風のあしらいが施されている訳ではなく、至って普通。カウルのカラーリングで印象が大きく変わるもんだね。ブラックは玄人感があって速そうに見える。
コースは明らかに駐車場を再利用していることがわかる。バリアに完全に囲まれた典型的な特設サーキットだ。思いのままにコースレイアウトを変えられそうだから、定期的に変更してるのかな?
こういうコースって、バリアがブラインドになって先が見えないから、レイアウトを完璧に覚えとかないととっちらかって大変なことになっちゃうんだよね。
まさにレンタルカート界のマカオ、ギアサーキットだ。過去に所沢をモナコに例えたからこちらはマカオで。壁指数は所沢と比較にならない。オール壁。
いきなり話は変わるけど、スンプマリーナの常連さんがもしこれを読んでいたら、思いっきり突っ込まれそう。
というのも、とっくにコースレイアウトが変っちゃってますからね。
いや〜自分のぐーたらっぷりが嫌になりますな。何を隠そう行ったのは去年。忘れてたぁーー!と思って今更これを書いてる訳っす。
まあ所詮個人のカート日記じゃい。
細かいことは気にせず早速走ってみようじゃないか。
写真を見てもお分かりの通り、天気が良すぎて西日が強烈。メットのバイザーに太陽光が乱反射して、コーナー手前に来るまでどっちに曲がるのか分からない(汗)
ただでさえブラインドで見通しが悪いから、余計にタチが悪い。
おぉー、右かい!
次はどっち?おお!左かい!
次は右??
と思ったら右ちゃうんかぁ〜い!!
てな具合に手探りでコーナーをクリアしていく。
このサーキット(当時)のキモは、とにもかくにも2つのヘアピンですな。ここの立ち上がりが全て。その他でさほど差のつく所は無い感じ。
残念ながら自分は器用なテクを持ち合わせいないので、しっかりブレーキングしてインを突き、落ち着いた瞬間アクセルを踏んで、出来る限り挙動が乱れないよう直線的にアウト側に出る。というオーソドックスな攻略しかできない。
たまにドリフト気味になるのはあくまでも自然の産物であり故意に繰り出すことはできない。
ここまで強烈に折り返すヘアピンだと、初めから鼻っ面を横に向かせてスライドさせた方が理にかなっている気がするが、残念ながらやる勇気もない。
速い人の走りを1度見てみたかったなぁ。単独走行だったので正解がどういうものなのかを知る術は無かった。
1回だけ走ってベストラップは33秒5。
ホワイトボードに書いてあったランキング1位のラップタイムは31秒7。すんげー速い…
やっぱりヘアピン脱出速度が全然違うんでしょう。
コースよりも建物に度肝を抜かれた異色の和風カート場。全部壁になってて狭いので、中々のスピード感で思った以上にテクニカル。
今回は貴重な体験ができました。
公式サイト
https://www.sunpu-marina-karting.com
[独断と偏見評価]
難度★★★☆☆
度胸度★★☆☆☆
爽快度★★☆☆☆
コスパ★★☆☆☆
ホスピタリティ★★★★☆