ひょんなことから福岡に上陸。旅行に来た訳ではないのだが、レンタルカート好きとしては、滅多にない福岡滞在のスキに、何とかご当地カートに乗れないものだろうかと、ついつい画策してしまうのだ。
博多から一番行きやすそうなサーキットを調べてみると、なかなか美味しそうなエーワンサーキットを発見。サイトによれば、レーシングの方々を尊重しているようでもなく、持込とレンタルの時間割設定も無いので、どうやら到着時間を調整する必要は無さそうだ。レンタルカーターいつでもカモォーン!!な感じ。
ワイ、こういうサーキット大好きや。
ササっと用事を済ませ、一目散にエーワンサーキットを目指す。
節約のため天神から一般道を走ったが、1時間もかからず到着。博多市街の渋滞にハマっていなければもっと早かっただろう。なかなかアクセス良好じゃないか。
「いつかはF1パイロット」…うん。ボクもまだ夢は捨ててないっ! 福岡カートランドは旧名かな?
車を停め、細〜い階段をえっちらおっちら上るとサーキットがお目見え。いやーそれにしても福岡の夏は暑いわ…。
おおー、早速バカッ速いレーシングの方が爆走していらっしゃる。すげえスピード。1コーナーが緩やかなのか、そのまま突っ込んで行ってる。体力使うだろうなー。ホントいつかは乗ってみたい。
コース全体を俯瞰で眺めてみようと思ったが、観覧スタンドが無い。通常目線でしかコースが確認できず、奥のセクションが全く見えねえ。コース図をじっくり凝視してイメージするしかなさそうだ。
早速受付へ。1回7分2000円。3回券なら5000円。なかなかリーズナブルじゃないか。会員になると輪をかけてお得だ。年会費が僅か5000円で、入会すれば1回走行サービス付。その後は走行毎に500円引き。羨ましい。
こりゃ速攻でモトを取れるので福岡県民だったなら入会しない理由はない。いやー太っ腹!
3回セットはお得だが、猛暑につき体力の自信がないので、とりあえずバラで2回分を購入。
メットとグローブを装着し、出陣に備える。猛暑なのでメットはジェットタイプをチョイス。息苦しくないし風を感じるから、置いてあったら夏場は専らジェットを装着しているのです。
見た目的に初心者っぽく見えるところもナイスなポイント。気負わず気楽に走れるってもんよぉ(小っせ!)
コースは全長630m、バラエティに富んだコーナーが用意されており、楽しそうなレイアウトだ。空撮はめっちゃ綺麗だが、近くで見ると案外路面は傷んでいる模様。
そしていよいよカートとご対面〜。
何だこのカート?このタイプは見たことねえぞ。
聞くところによるとエクスプローラーというマシンらしく、これを使っているカート場は少数派のようだ。
確かに乗ったこと無いかも。…いや、マカオで乗ったカートがこれに似ていた気もする。
ただエンジンはGX200とのことで、コイツはフツーに走るだろう。マカオのやつは悲しいくらい鈍亀だったからな。
スタッフさんによると乗り味はレーシングっぽいとのこと。きっちり止まってあげないと曲がらないらしい。
さて!ボチボチ行きましょか!と思っていたら、スタッフさんより一言。
「レンタルは逆回りですからね。レーシングカートとは逆です。」
なななんと!!食い入るように見ていたレーシングとは逆!そんなローカル設定があったとは。
レーシングが反時計回り、レンタルカートが時計回りだ。グリッドのラインも反時計回り仕様なので、まさか逆だとは思いもよらず、これは盲点。
確かにコース図を見ると矢印が書いてある。全長720mから630mへの訂正はご愛嬌(笑)
レンタルを時計回りにしているのは、反時計回りよりも易しいためらしい。反時計回りはコーナーがブラインドになってて、ちょっと走りにくいんだとさ。
なるほど。確かにブラインドの難しさもあるだろうが、1コーナーの終点にも危険な香りがする。
調子ブッこいて全開で1コーナーをぶっ飛ばし、直角コーナーで曲がりきれない初心者の映像が頭をよぎる。突っ込んでカートを壊されても困りますからね。レンタルは時計回りが無難でしょう。
さて急遽、時計回りのコースを目に焼き付けてコースイン!
1コーナーは余裕の全開。幅が広いから何の恐怖も無く突っ込める。2コーナーに備えてアウトインアウトで。いや、センターインアウトか。
スプーン状の2コーナー入り口は若干グリップの危うさが出るが、全開のまま何とか耐えられる。
そこから一気にフルブレーキングし、アウトからインに切り込む。このブレーキングポイントがなかなか掴みづらい。何かしら目印を決めておいた方がいいかも知れない。そこまで探れなかったが…。
チョイ遅れるとすぐコースアウト、チョイ早いと切り込むまでのタイムロスが生まれる。
全開コーナー&フルブレーキングなので、ブレーキング間際に姿勢を真っ直ぐに整えておかないと危険。情けないスピンを喫するハメになる。2回やらかしました〜(汗)
確かにこのエクスプローラーは慣れたビレルとは明らかにクセが違う。このマシン固有の特性もあるだろうが、止まりにくい…。曲がらない。メリハリあるブレーキングでしっかり荷重移動させることが必要なのだろう。ムズイ。
さて続く3、4、5コーナーはパッと見は鋭角だが、特にアクセルオフもブレーキも不要で全開でいけた。まあ自分の2コーナーの立ち上がりが単に遅いだけ…。ってこともあるような気もするが…(汗)
この辺りは非常にスリッピー。コース幅を活用して滑らかにクリアしていかないと、すぐにグリップを失いタイムロスに繋がってしまう。
緩いコーナーのあるバックストレートはインベタで最短距離を。続くダブルヘアピン進入前にアウト側に付ける。
ヘアピン1つ目はフルブレーキング。切り返しのヘアピンに備えてイン寄りでクリアする必要がある。ここもとにかくスリッピーなので真っ直ぐな姿勢からフルブレーキングしないとクルッとスピンをかましてしまう。
そんなシビアな状況の中、いかに最小限のブレーキングでコーナーに進入し、挙動を乱さずに早くアクセルを復帰させることが出来るか。このさじ加減がヒジョーに難しいと感じた。
切り返しのヘアピンは脱出後のアウト側いっぱいまで活用することによりベタ踏みでクリアできるが、少しでも角度を間違えるとすぐにグリップを失う。難敵やわ。
ラストの90度コーナーはアウトインアウト、なだらかな最終コーナーはインベタで、ただただ無心に突っ走る。ここは結構路面がデコボコ荒れていたのでで、避けるべきか気にせず突っ走るべきかは不明。
あとはメインストレートなのだが、毎周必ず直線半ばでコクッと回転が落ちる感覚に陥る。リミッターが介入したかのような、僅かな違和感がでるのだが、一体なんだろうね。
ま、そんなコース解釈をしつつ、初回7分を終えた。
ベストラップは42秒371。
走る前にスタッフさんに、速い人は何秒くらいで走るの?って聞いたのだが、観音様のように優しい微笑みで「あまりそういう事は気にせずに、自分なりに楽しんでみてください。」と答えられてしまったもんだから、このタイムがどの程度のレベルなのかサッパリわからない。
まあいい。仰る通り、楽しませていただいたよ。
んで、2本目。実はこのエーワンサーキット、レンタルカートはエクスプローラーとビレルの両刀遣いなのである。エンジンはエクスプローラーと同じGX200。
ひとつのサーキットを異なる2つのメーカーのレンタルカートで走れる機会など滅多に無い。迷わず2本目は馴染みのビレルを選択した。
スタッフさんによるとビレルはエクスプローラーと異なりハンドルで曲がっていくタイプとのこと。ほほぅ。その違い、興味深いではないか。
1本目にエクスプローラーで学習したこのコースをビレルの2本目で仕上げて行くとしよう。
いざコースイン。エンジンが同じだけあって、パワー感は全く変わらない。しかし、乗り味はやはり全く異なるものだった!
スタッフさんがハンドルで曲がって行くタイプ。と言っていたその通り、エクスプローラーよりも断然ハナが入りやすい。多少無理があっても挙動の乱れは少ない気がするし、安心感なら断然こっち。同じカートでもこれだけ違うのかと感心してしまった。まあ単純に自分がビレル慣れしてるだけ。ってのもあるかも知れないが。
マシン特性をマリオカートで例えると、ビレル=キノピオ、エクスプローラー=クッパ。といったところか。ちょっと大袈裟すぎるけど。
ビレルは小手先の誤魔化しやリカバーが効く感じがするので、エクスプローラーで走り込んだほうがカートテクニック的には上達しそうな気がする。
で、その乗りやすかったビレルなのだが、情けないことに、いまひとつドンピシャで走ることができなかった。どこかで必ずミスをする。奥が深いわー。
それでも乗り味自体は良かったので、ささやかながら達成感あり。
結果、41秒944。すこーし速くなった。相変わらず伸び代が少ないワタシ…
いやー。なかなかやり込み要素の高い、いやらしいサーキットだったわ。またいつか走りたいけど、恐らくもう2度と来れない、一期一会サーキットになるであろう事が惜しい。
終わってからクラブハウス内をよく見てみると、今月のランキングを発見。なんとなく「書きたい人はかいてね」感あるユルそうなランキングではあるが、トップは40秒台前半。速いなぁーーー。
今日の走りでは何処まで突き詰めても40秒台はイメージできない。後ろで走って是非参考にさせて頂きたいものです。
最後に余談になるが、エーワンサーキットのウェブサイトによると、サーキットが都市計画法に合致しないとの指摘を受け、法令に沿った施設とするためコースの縮小等を行う方向で検討している。とのこと。
こんな素敵なコースレイアウトが将来的に変わってしまうなんて残念極りないですが、新生エーワンサーキットとしてレンタルカートの裾野を更に広めて頂けるよう、今後の更なるご発展を切に願っております。
公式サイト
[独断と偏見評価]
難度★★★★☆
度胸度★★★☆☆
爽快度★★★☆☆
コスパ★★★★☆
ホスピタリティ★★★☆☆