その日、3度目のラー飯能にチャレンジするため、飯能まで車で向かった。
空はどんより曇っているが、朝の天気予報では夜まで降らないと豪語していたので全く雨の不安は無い。
ところが到着してみると…
ザッパァーーーーーン!!!
えーーーーー!!!なんですのこれ。
バケツをひっくり返したような路面じゃないですか…
水たまりまで出来てますやん(ー ー;)
不安定な山間部の天気。雨の野郎、朝に降りやがったか。
これから太陽が顔を出す気配が全く無いので、すぐに路面が乾くのは期待できない。
ベストタイム更新を目的に来たから、こんなウエットコンディションではモチベーションも上がらない。残念極まりないが、今日は諦めるしかねぇ。
…で、時間は昼時。たまらなく腹が減ってきた。
この辺りはビビるくらいのド田舎である。メシ屋探しの旅に時間を割くのは避けたいし、見つける自信も無い。
そう言えば、ピットの上にカフェがあったはずだ。何かしらメニューがあるのでは?と、ピットの階段を駆け上がってみる。
カフェレストランK。塚越広大のKなのか?
営業してるようだ。
おお、メニューが意外にも豊富。
よしっ、ここで食おう。ミルフィーユカツカレーだな!そそるネーミングじゃないか。
今からカツを揚げる油を温めます。とのことで、待つこと約15分。
むほっ!なかなかナイスなビジュアルじゃないか。
いっただっきまーす!
ミルフィーユなカツとともに、なんとルーにも肉がたっぷり入っている。
カート場だけに、カツとお肉のサイドバイサイドやぁぁ!テールトゥノーズやぁぁ!
店員さんによると、米は魚沼産コシヒカリとのこと。あいにくカレーなので米の旨みが今ひとつわからなかったが、美味しゅうございました。
ご馳走さまでした!
はるばるラー飯能までカレーを食べに来た。というなんともシュールな状態になってしまったが、今日1日をこれで終える訳にはいかない。
よし、急遽路線変更して入間の屋内カートでも体験して帰ろうではないか!
ホントにカレーを食べただけで、ラー飯能を後にした。
小一時間かけて入間に到着。
ボーッとしてると通り過ぎてしまいそうだ。道路から見える看板の訴求力がイマイチである。
到着しました、サーキットスタジアム634。
634と書いてムサシと読む。武蔵地方のムサシ、ということなのだろう。スカイツリーの高さと同じ数字である。スカイツリーも武蔵地方の意味合いを込めて634mだった気がする。
屋内カートで思い出すのが、こないだ行った千葉のハーバーサーキットだ。目からウロコのなかなか楽しいサーキットだったが、こちらはどんな感じなのだろう。比較するのが楽しみだ。
ハーバーはボーリング場のビルの2階という画期的な佇まいだったが、こちらはカート専用に作られたドでかい整備場チックな建物である。
さて、雨とは無縁の屋内カートを心置き無く堪能させて頂こうではないか!
休憩スペースが色んな場所に設けてある。
スロットやダーツなどが置いてある。屋内カートあるあるですね。
ハーバーのようなネオンギラギラの非日常空間ではなく、オーソドックスな装飾である。窓があるから明るい。
早速受付で入会金500円と保険料?と走行料を支払う。1回7分2000円、3回券5000円、5回券7500円。なかなかリーズナブルだ。
暫くするとポイントが印字されたオシャレな会員カードをくれた。ポイントが貯まれば走行料が値引かれる仕組みになっている。
週間レコードは23秒3。スタッフさんによるとコースレコードは21秒台。今日はとても寒いので速い常連さんでも路面状況的に24秒台くらいですかねー。初めて走る人は30秒切りを目指して下さい。とのこと。
このサーキットは初めてだけど、レンタルカート自体は経験ある場合の目標タイムは??って聞きたかったけど、コイツめんどくせー。と思われたくないので漠然と27秒台を目指すことを心に決めた。
コースの見た目は思ったより奥行きがある。ハーバーのようなネオンギラギラなアミューズメント感に対して、こちらはサーキット然としたモータースポーツなイメージ。
やはり路面はコンクリートをコーティングした感じでテカっている。
屋内カートはアスファルトを敷いたらダメなのか??まあスピードが乗るから危険なのでしょうね。
はい!ありましたスロープ!これも屋内カートあるあるですね!
狭い敷地の有効活用と難易度の向上に寄与する屋内カートの必須セクション。
マシンはビレルN35。写真は展示用なのでシールでカラーリングされているが、実際は真っ黒である。
意外だったのがタイヤ。スリックではなく、粗めの溝が入ったオールウェザータイヤを装着している。これが走りにどう影響してくるのか興味深い。
ちょうど目の前で常連さんらしきリブプロテクターを装着した人達が走り始めた。参考に出来るからありがたい。
コースが紅白のブロックで囲まれているため、ライン取りなどは見えず分からない。よく見えるのはトンネル下の1コーナーの進入。なんと思いっきり滑らせてスライドしながら突入している。あんなコーナリング今まで見たことねえぞ。あれが正解なのか??
早速スタッフさんを捕まえて聞いてみると、「寒さでタイヤも温まらず余計にグリップしません。このコースはスリックカートみたいに滑らせて走るのがポイントです」とのこと。
なんというとだ!ハーバーでは「決して滑らせるべからず!」だったのが、634では「上手く滑らせるべし!」なのだ。同じ屋内カートでも性質が全く異なる、似て非なるサーキットなのか。
とりあえずトライしてみよう。
おおぉ、たしかに!タイヤが全然グリップしない。大袈裟に言うと氷の上を走ってるみたい。こりゃあそもそも滑らせて走らないと曲がれないわ。しかも滑らせるタイミングを間違えるとすぐに横っ腹が壁に激突してスピードが落ちる。これは大変(汗)
コース図をロクに見ずに乗ったものだから、把握するのにも必死。次は右ヘアピンだったっけ?と思ったら左の最終コーナーだったり、最終コーナーだったっけ?と思ったら右ヘアピンだったり、滑るマシンに対応しようとすると頭が混乱してしまう自分のおバカっぷりにも驚いた(^_^;)
頭の整理がつかないまま7分が終了。
タイムは26秒807。漠然とした目標タイムは切ることができたが全くしっくりこない。
いやー、新しい世界を体験してしまいました。これは通常のレンタルカートとは異なる「634」という新たなカテゴリーと言ってもいいくらい、根本的に走らせ方が違うレンタルカートですね。
感覚としては正にスーファミの「F-ZERO」みたいな感じ(例えが古いやろ…)
正直ピンと来ておらず、あまり自信は無いが2セット目をトライ。
1コーナーはかなり手前でチョンブレーキして大胆に姿勢を変え、滑らせつつ立ち上がりのスピードを殺さないようトンネル下に進入。
2コーナーは手前でアクセルを抜かないと立ち上がりのストレートで挙動が乱れ、アウトに振れない。
3コーナーのヘアピンはアウトから大回り気味にベタ踏みでクリアする。しかしタイミングが早すぎてインの壁に触れたり、遅すぎて全くクリップに付けなかったりするのがほとんど…。鈍くせぇ。
スロープを上がり切ったところでガシャンと跳ねるが、これを防ぐ走り方があるのかどうかは良く分からない。
4コーナーの下りスロープがこのサーキットの目玉だろう。ハーバーの下りスロープは単なるストレートだが、634の場合は下った所にRがついている。手前で姿勢を変えてハナっ面をクリップに付け、スピードを乗っけてナナメ姿勢のまま下りコーナーをクリアする。失敗するとたびたび左の壁の餌食となる。
すぐさま続くシケインも難しい。スピードを乗せたままクリアする方法が掴めず、知らぬ間にスピードが殺され、立ち上がりの最終コーナーを牛歩のように遅いスピードでミジメに走る羽目になる。シケイン手前でチョイとブレーキして姿勢を変えればクイックに処理できるが、正解では無さそうだ。
くぅーーー、ストレスが溜まるぅ。
2セット目、26秒290。思ってたより短縮できず…
毎度自分の走りの伸び代の無さにウンザリする。
でもまだまだ分からない所だらけなので、走れば走るだけ、タイムを短縮できそうな感触だ。
いやぁ〜奥が深かった。
しかし、ここで走り込むのは少し危険を感じる。ここの走りが体に染み付いてしまうと、あまりの特性の違いにアスファルトの一般的なカート場でマトモに走れなくなる気がするのだ。
ハーバー病どころではない。634病の方が怖そうだ。
ハーバーとの比較でいうと、面白さはハーバー、難しさは634かなぁ?
ホント、似てるようで全く違った魅力がありました。
(あくまでもぜーんぶ個人的感想なので悪しからず!)
ラー飯能に行ってみたけど雨。というシチュエーションに陥ったら、また走りに来よう!
公式サイト
[独断と偏見評価]
難度★★★★☆
度胸度★☆☆☆☆
爽快度★★☆☆☆
コスパ★★★★☆
ホスピタリティ★★★★☆
自己ベスト26秒290