16年5月オープンの情報を知ってから、死ぬまでに1度は行かにゃならん!と思っていた台湾のミニ鈴鹿サーキット。
意外にもこんなに早く走るチャンスが巡ってくるとは…。人生の巡り合わせに感謝っス(涙)
鈴鹿サーキットをそのまま10分の1サイズにしてカート場にしてしまうという、何とも夢のあるプロジェクトを鈴鹿サーキットとの提携により手掛けたのは、以前台湾で行ったカート場の運営会社と同じ大魯閣グループである。
↓以前の台湾カート
台湾 大魯閣(タロコ)カートランド 走ってみた - 大納言 疾走る!
以前に大魯閣カートランドを走ったとき、その設備の充実ぶりにえらく感嘆したものだが、待ち受けていたミニ鈴鹿サーキットは、大魯閣カートランドすら屁と思えるような、これってレンタルカート場のパッケージとしてダントツで世界一じゃね?ってくらい惜しみなく金を注ぎ込んだ最先端のカート場であった!
高雄国際機場駅から地下鉄でひと駅の草衙駅から直結。出口を上がるとタロコパーク入り口が広がっている。
タロコパーク(大魯閣草衙道)は大型ショッピングモールと鈴鹿サーキットパークを含むアミューズメントパークが併設された複合商業施設である。
パークのショッピングモールには目もくれず、パーク奥に鎮座する鈴鹿サーキットパークを目指す。
本家鈴鹿サーキットのマスコットキャラであるコチラちゃんファミリーがここでもマスコットとして使われている。
このコチラちゃんの看板が鈴鹿サーキットパークの入り口。なお入園は無料。
エリア内はモータースポーツをテーマにした小型のアトラクションが所狭しと並んでいて雰囲気は日本の鈴鹿サーキットとおんなじ。
そしていよいよミニ鈴鹿サーキットとご対面。
建物かっけぇーー!
ロゴマークもフォントも本家と同じ。初めてなのに、どこか懐かしい。ホッとする感じ。
まるで探していた生き別れの弟と再会できたかのような、なんとも言えない感激が込み上げる!!
ついに、ついに俺、走れるんスね!テンションのブチ上がりを抑えきれないっス!!
さて、気をとりなおして建物の中に入れば、クソ暑い台湾にいることを忘れるようなキーンとクーラーの効いた空間が広がっている。気持ちええ〜。
平日にも関わらず結構混雑しており、絶え間なく新たな客が入ってくる。言葉を聞いてると日本人観光客というよりは台湾の地元民?がほとんど。
平日でこの状況なら土日ならヤバいことになってるんだろう…。すぐ走れるかな?
とりあえず受付だ!
走行は1回8分550NT$。17年9月現在のレートで言えば約2100円。初めてなのでそこにプラス100NT$の講習費がかかる。複数人で行ったのでドーンとお得な回数券を購入。
受付の台湾人のお姉さんはめっちゃ教育が行き届いており、笑顔を絶やさずとにかく応対が丁寧で感じがいい。
日本語は通じないが、ボディーランゲージや筆談で精一杯コミュニケーションしてくれる。日本のとあるカート場のプンっとした無表情の受付ネーチャンは是非見習って欲しい(汗)
受付が終わると会員登録をする。PCに個人情報と、モニター表示用の写真撮影およびニックネーム等を入力。新規客が多いから、ここで割と混雑する。
会員カード発行。日本の鈴鹿アドバンスカートのような写真入りではないが、「ミニ鈴鹿」と名のついたこのカードはなかなか良い記念品になる!
講習は30分に1回のペースで行われているようで、しばし待たされる。その間、2階フロアを散策。
2階フロアには有料カフェスペースのスズカゼがある。走行の待ち時間はここで休憩すると良さそうだ。スーパーフォーミュラの鈴鹿でのレースが延々と放映されている。
観戦デッキは広く眺めも素晴らしい。ミストが噴霧されており暑さ対策も万全。
メインストレートからS字。
ダンロップコーナーからデグナー。見た目結構な高低差がある。立体交差があるだけに当然か。
いやー興奮するぜぇ〜!
130Rからシケイン。残念ながらヘアピン、200R、スプーンは見渡す事ができない。
しかしまあ、すこぶる綺麗ですわ。
各所に設置されるモニターではF1のテレメトリーの如く、リアルタイムな走行位置とタイムが表示されている。ナイスな演出に興奮し、思わず生唾を飲みまくらーレンホンダである!(寒)
コースのモニターでは定期的にファステストラップが表示される。大画面に顔写真がドンと出て若干恥ずかしい。
ジャッキー(台湾人?)、やったのう!
興奮度合いが最高潮に来たところで、やっとこさ講習の時間。部屋の名前は鈴鹿教室(笑)
ネーミングも徹底している。
講習は本家鈴鹿とミニサーキットの解説、マシンの仕組み解説の10分程度のビデオを見たあとに、スタッフさんから10分程度のコース説明を受ける。
中国語と英語による解説だが、日本人には要約したプリントが配られる。
講習が終わればいよいよ走行準備。
身支度を整えるための身支度整えルームも清潔感ありまくりで快適でっせー!
念のためフェイスマスクとグローブを持参していたのだが、自分の持ってるやつより上等そうなものが貸与された。1回使ったら綺麗に洗濯しているのであろう。全て個包装されている。
乗車するカートの号車はモニターを確認。顔写真とニックネーム入りなので、間違える心配ナシ!
…ていうか、一緒に13台も走るんかーーい!!!!
ちなみに、後から気づいたのだが、上の写真は13人全員がミニ鈴鹿サーキット初走行であるということが、実はモニターを見ただけで判るのだ。
どういう事かと言うと、1度でも走った履歴があれば、下の写真のように過去の自己ベストタイムが表示される仕組みになっているのだ。
こりゃスンバラしいシステムでっせ!!
速いタイムの人がいれば、ハナから道を譲って気楽に走ることもできるし、追走してラインを覚えたりできる。
初走行の人のタイムは読めないものの、一定程度走行メンバーのレベルを事前に知っておけるというのは素晴らしいメリットなのだ。
例えば遅い人が2人いるなら、とりあえずその2人さえ抜いてしまえば、その直後はクリアラップとれるな。など、走行前に8分間を有効活用するための作戦が立てられるのだ。
よく考えられたシステムに感心っす!
マシンはビレルN35。新東京と同じく、後部カバー付きのN35-GTである。火傷しない親切設計。なおミニ鈴鹿のビレルは更に安全対策で4点式シートベルトが装備されている。
エンジンはヤマハMZ200。ミニ鈴鹿とはいえ、ホンダエンジンじゃないらしい。7.5馬力、最高速度70キロとのこと。
本物とのグーグル空撮比較。見事なミニチュアっぷりだ。全長約600メートル。
唯一違うところはデグナーくらいか?ミニ鈴鹿ではひとつのコーナーになっている。しかしまあ、面白いこと考えたよねえー。
さて、講義ではブレーキポイントは1コーナーとヘアピンの2箇所。と言っていたが、果たしてどうか。
いよいよ出陣!!
1コーナーはグリーンベルトまではみ出して外側を走行し、道幅を最大限に活用。
(※写真はGoProで撮影した動画をキャプチャーしたもの。スタンプカードのスタンプ5つでGoProを装着してくれるのだ。回数券を買えばスタンプ5つが一瞬で溜まる。映像データはその日の夜にgmailで届く)
ちなみに前方看板の下の電光掲示板に8分のカウントダウンが表示されるから、あとどれだけ頑張れるかを把握しやすいのだ。
縁石あたりでしっかりブレーキング
タイミングよくイン側めがけて切り込む。頂点あたりで間髪入れずアクセルオン。
タイムを詰めるための最重要ポイントはこの1コーナーで如何に早くアクセルを回復させられるか。である。
S字。
直線的に行けるかなと思ったが、実際に走ってみると案外切れ込んでいる。度重なるコーナーを先読みし、各コーナーをインベタでリズムよく駆け抜けることが肝要。
ベタ踏みでグリップを感じながらスイスイとクリアしていく感覚は実に小気味いい。
ダンロップコーナー。
ここをてっぺんにして以後は下り坂になる。本家鈴鹿サーキットと起伏具合も良く似ている。
デグナー。
入り口のみインに付け、グリップを失わぬよう出口は大回りでアウト側目一杯に抜けていく。割とタイトだが、コース幅を有効に使うとスピードを殺さずクリアできる。
デグナー出口と立体交差。
アウト側ギリに立ちあがる。ホントはもっと奥の立体交差直前でアウトに付くくらいがベストか。次のヘアピンまでのストレートで徐々に右サイドに進路を取る。
ヘアピン。
序盤はチョンブレでアプローチしていたが、走るうちにブレーキ不要なことに気がついた。
大外からコーナー直前でアクセルを抜き姿勢を変え、すぐさまアクセル踏み込んでコーナーをクリアする。
出口で右側の壁にヒットする不安がよぎるが、ここはギリで抜けられる。
200R。
ヘアピン脱出からそのままグリーンベルトに沿って最内を走行。
スプーン手前。
グリーンベルトの外側の余白まで大きく活用して進入した方が後々ムリが無いと思う。
コーナー2つの複合だが、入り口の縁石は無視して気にせずスピードを殺さないことを意識してゆっくりハンドルを切る。
スプーン。
ふたつ目の頂点めがけて切り込んでいく。
バックストレッチ。
スプーン脱出後は右側いっぱいまで活用。登り勾配なのでスプーンで挙動を乱すと致命傷。
ライン的にはストレート。直線的に最終のイン側をめがけて突っ走る。下り坂なのでここから一気に速度が乗って、スピード感を最も感じるセクションである。
気持ちええ〜!!!
…と、こんな感じの1周だ。
ブレーキングは唯一、1コーナーのみ。ヘアピンではアクセルワンオフ。他はぜーんぶベタ踏みで、スピードを殺さない合理的な走行に命をかけるのみ。
複雑なコースレイアウトの割にテクニックとしては意外に単純。そのぶん軽快に走る気持ち良さが半端ない。
やがて8分経つと自動的にリミッターがかかりスロー走行に。これを合図にピットロードに戻るのだ。
結局自分には珍しく、居座って4回も走行(笑)
これだけクネクネしてるのに、1ミリも腕が疲れない不思議なサーキットだ。
1本目。
初走行者が13名も入り乱れるカオスな初回。2人乗りのデカいマッタリカートまで混ざってるもんだから、結局1度もクリアラップなし!
でもかなり勉強できた。
2本目。
運良くやや人数が減って8名走行。1本目より混雑は解消されたが、それでもクリアラップのアタックチャンスが1、2回ほど。その僅かなチャンスを活かすことに集中しないといけない。
上手く行った!!と思ってもラスト辺りで引っかかったりするパターン多し…
おひとり、38秒台を叩き出すバカっ速い台湾人の常連さんがいらっしゃって、完敗しました。
3本目。またもやまさかの13人走行…(><)テーマパークだからこの状況が普通なんやろね。
カオスっぷりは、この回が1番ヒドかった。何とか僅かなスキに40秒を切ることに成功。
ラストの4本目。
日も暮れてきて客足も鈍り、やっと6名の少人数に。
精一杯攻めて39秒442。今の自分にはこれが限界だったわ…
世界的ドライバーのミハエルシューマッハさん、ジェンソンバトンさんとご一緒できました(笑)
ここは日本のカート場のようにカート好き達がわざわざ走りに来る場所じゃなく、タロコパークに遊びに来た人達が物珍しさで「1回乗ってみよっか?」的な感覚で押し寄せ、キャッキャと入り乱れて走るので、来場客のレンタルカートスキルの平均値は極めて低い。マトモにクリアラップを走るチャンスがほぼ巡って来ないのが唯一の欠点。
でもカート施設としては、ほんと天晴れすぎる出来。レンタルカートがひとつのエンタテインメントとして完璧なまでに作り込まれており、「ほえーーー!」と驚嘆しきりの半日でした。
何より愛着ある鈴鹿サーキットってのが泣かせる。
レンタルカートミシュランガイド、3つ星確定です。いや3つ星じゃ足りんな。
まさに夢のような1日を過ごさせて頂きました!
公式サイト
http://www.suzukacircuit.jp/info_s/suzukacircuitpark/
http://www.suzukacircuitpark.com
[独断と偏見評価]
難度★★☆☆☆
度胸度★★☆☆☆
爽快度★★★★★
コスパ★★★★★
ホスピタリティ★★★★★